前立腺がんの診断

前立腺とは?

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前立腺は男性のみ、骨盤の一番深い場所にあります。
前は恥骨、後ろは便が通る直腸、上は膀胱で囲まれています。
機能は大きく二つあり、最も重要なのは精液の多くを作っていることです(精子は精巣で作られますが)。また、尿を保持する役目もあります。
人生50年の時代には前立腺で悩む男性は少なかったはずですが、平均寿命が80歳を上回る今日、前立腺肥大症、前立腺炎、そして前立腺がんで悩む男性は極めて多く、実はすでに社会問題の一つといって良いと思われます。

 

診断方法

現在、多くの方が検診や人間ドックあるいは泌尿器科の外来でPSA(前立腺特異抗原)という血液検査をし異常(通常、4.0以上)を指摘され、その後、針生検(はりせいけん)を受けて診断されることがほとんどです。
PSA検査が普及する30年前までは骨転移の症状である腰痛などでみつかる前立腺がんが多かったのですが現在ではそういう方は減りました。
また、泌尿器科の外来で行われる直腸診でも硬く触れるとがんが疑われ生検を受けることになります。

Chrysanthemum直腸診(ちょくちょうしん):肛門から指を入れ前立腺を触る。
Chrysanthemum針生検(はりせいけん):超音波で前立腺を見ながら針を刺し、前立腺の一部をとり病理検査をする。

リスク分類

生検で前立腺がんと診断されると次に骨シンチグラフィーで骨転移の有無、CTでリンパ節転移の有無を検査します(中にはこういう検査が必ずしも必要でない極めて早期のがんの方もいます)。
また、前立腺の中の状態を把握するためにMRIを実施することもあります。
治療方法を決めていくうえで、診断されたがんの状態を詳細に把握することが最も重要です。
骨転移、リンパ節転移がない早期がんの方は表に示したリスク群を参考にご自分が低、中、高リスク群のどれに当てはまるかをチェックしてください。もしくは医師に確認してください。
この3つの分け方は米国ハーバード大学の放射線科医
師のデアミーコ先生が作りました。血液のPSAの結果、直腸診の結果と生検の悪性度(グリソンスコア)の3つの組み合わせで決定します。

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幸い、現在、早期前立腺がん(転移のないがん)に対して多くの選択肢があります。
1)手術(開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット手術)
2)外照射
3)小線源療法
4)ホルモン治療
5)経過観察
6)その他
などです。過去10年間それぞれの治療は大きな進歩を果たしました。
それぞれに利点、欠点があります。それらを十分理解した上で、さらにご自分の病気にあった治療についての医師からの助言を参考に選んでいきます。
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